魚屋が教えるアニサキスのこと

魚の生態

アニサキスと聞いて皆さんは何を思い浮かべますか?

 怖い、痛い、アレルギー、寄生虫とか頭に浮かぶことでしょう。

アニサキスのことを知ることで対策なども立てられるようになると思います。

なにより魚にはいまのところ切っても切れない存在。

簡単に勉強してみましょう。

アニサキスとは

こちらは生鮭に寄生するアニサキスです。

これはヒラメに寄生するアニサキスです。

ちょっと画質荒いのですが結構写ってます。

アニサキスの症状

アニサキスは人間の身体に入ると、胃壁などに侵入します。(腸に侵入することも稀にあるそうです)

その際に人体は異物が侵入したことでアレルギー反応を起こします。

大体食後、数時間~10数時間で、みぞおちの激しい腹痛、吐き気、嘔吐をおこします。

食後、10数時間~数日後に、激しい下腹部痛、腹膜炎症状を起こすこともあるそうです。

いままで死亡例はありません。

アニサキスがいる魚介類

アニサキスがいる魚は沢山います。

私が見た中でも、マイワシ、マアジ、マサバ、アイナメ、マホッケ、ゴマサバ、スルメイカ、ヒラメ、カツオ、サンマ、タラ、サケなどは特に寄生されている確率が高いです。

天然の海産魚は絶対にいないとは言えないので気を付けてください。

アニサキスとよく間違えられる寄生虫(ぶり糸状虫)

こちらはブリ糸状虫と呼ばれます。*アニサキスではありません。

食べたとしても人体に影響はありません。影響はありませんが普通に見られます。見た目は気持ち悪いのでいたら取り除き廃棄して下さい。アニサキスより長く巨大で細長いミミズのようです。主に天然ぶり(イナダ,ワラサ)に見られます。寒い時期は少なく暖かい時期によく見られます。

アニサキスの生活

アニサキスは鯨類などを最終宿主としており、成虫となったアニサキスは卵を産み海中で幼生となったのち、オキアミなどの動物プランクトンに食べられ、それを魚たちが食べ、その魚を人間が食べることで人間の体内へ入ります。

アニサキスは魚の内臓に入った後に魚が死亡すると筋肉に移動し始めます。

ちなみに、本来アニサキスの生活環では人間には寄生する予定ではありませんでした。人間としては異物が入ってくるためアレルギー反応を起こします。アニサキスも人間に食べられてこんなに問題になってびっくりしてることでしょう。

アニサキスの対策

アニサキスは強い

アニサキスは結構強いです。

酢でも、塩でも死にません。普通にしめさば作ってもアニサキスには当たります

冷蔵庫の温度や人間には高温の40℃でも死にません。

アニサキスを死滅させるには

・マイナス20℃で24時間以上

・中心温度60℃以上で1分

・物理的に包丁などで切る

で殺すことができます。

アニサキス対策

内臓を早めに取り除く

魚の内臓に入ったアニサキスは、魚の死亡と時間経過により筋肉中に移動します。

内臓を早めに除去することで筋肉に移動するアニサキスを減らせます

よく冷やしこむ

冷やすことでアニサキスの動きが鈍くなります。

よく見る

アニサキスは半透明なので見つけづらいですが、魚の身を光にあてるとアニサキスが目立つので見つけやすくなります。また、紫外線ライト(ブラックライト)で反応するので暗闇を作れたらアニサキスを見つけることができます。個体によっては小さかったり、丸まっていたりするので注意してください。

内臓以外だと、内臓と接す腹側や肛門付近に多いのでよく見てください。


正露丸

アニサキスを正露丸を溶かした液に入れると結果的に弱り死滅したという研究があるほどです。


アニサキスかと思ったら

アニサキスは食中毒です。

もしアニサキスが原因で腹痛などが考えられる場合は、すぐに最寄りの病院にかかりましょう。

魚屋とアニサキス

私も魚屋をやっていて2回ほどアニサキス症になってしまったお客さまからクレームを受けたことがあります。私も細心の注意は払いつつも出てしてしまい、お客様にご迷惑をおかけして大変心苦しかったことを覚えております。悲しいことにアニサキスは防ぐのがとても難しいです。特に加熱せずに、冷凍せずに販売しなければいけないお店とっては大きな問題です。(冷凍すると旨味がなくなってしまいますからね。それで刺身が不味くなって魚が売れなくなったら日本としてはどうしたらいいのか。)アニサキスが簡単に早く確実に見つける方法やアニサキスを加熱、冷凍する以外で死滅させる方法を開発しなければといった感じですね。

以下のリンクは、そんなアニサキスの最新の殺虫技術です。

国立研究開発法人科学技術振興機構(JST)パルスパワーを用いた新しいアニサキス殺虫技術

パルスパワーを用いた新しいアニサキス殺虫技術|2022年3月|産学官連携ジャーナル
現在、日本人の代表的・伝統的な食文化である魚の生食(冷凍・解凍ではない刺身)が、アニサキスという寄生虫のために、衰退の危機にさらされております。

実用化される未来が待ち遠しいですね!

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